2008年05月23日

セイコーエプソン敗訴−業務の質を見た

珍しく2日連続の更新です。そのせいでしょうか、福岡では雨の予報が・・・

さて、今日は労災の判決についてお伝えします。昨日の報道です。

『セイコーエプソンの社員が、くも膜下出血で死亡したのは、度重なる海外出張による過労が原因として、遺族が労災を認めなかった松本労働基準監督署に処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は22日、請求を棄却した一審判決を取り消し、同署の処分取り消しを命じた。』今回の事件では、10ヵ月半の間に海外出張を計10回(183日間)も繰り返していたそうです。
遺族側は「10ヵ月半の間の計183日の海外出張によって、疲労やストレスが蓄積されていた。」と主張。それに対し「死亡直前の時間外労働数が、過重労働とされる1ヶ月45時間に満たない。」と主張。

判決では、「業務そのものは心身に大きな負荷を与えたとはいえないが、度重なる海外出張は生活習慣などの違いもあり、相当の疲労を蓄積させた。」と指摘。更に、「死亡直前は休みを取ったり、交代を申し出るのが困難な状況でもあった。」と指摘し、「健康診断は正常で、一過性の要因で発症したとみるのは困難。業務上の事由で死亡したというべきだ。」としています。

興味深い点は『過労の度合いを、業務の時間や量ではなく、質で判断した。』ということです。

業務災害が労災と認められる条件として、原則として“業務起因性”と“業務遂行性”の2要件を満たしていなければなりません。簡単にいえば、仕事が原因で仕事中に病気や怪我をした、ということです。

過労死の場合は、2要件に加えて“負荷”を見て、この負荷を時間数で判断しているようです。

「裁判所の判断はおかしい。」等と言うつもりは全くありませんが、仮に最高裁までいって、高裁の判決が支持されるようであれば、労災の要件に“業務の質”も加わることになるかも知れません。

「強度のプレッシャーを与える仕事を持続させてはいけない。」という判断基準が生まれるかも。

仕事をすることは当たり前のことです。どれだけ時間がかかろうとも、やりきらなければなりません。

経営者や管理者は、そのことをちゃんと見ていなければなりません。そして、キチンと評価・処遇をしなければなりません。

「よく頑張った。」 この一言で救われることもあります。

法に適合した労務管理を行うことも大切ですが、それよりも労務管理はハートが命です。もちろんハートだけでは限界がありますが、少なくとも最悪の事態は免れることが出来るでしょう。

社員は会社のすることを見ています。見ていないようで見ています。
何も文句がないように見えて、実はすごい不満を抱えていたりします。業務が停滞する一つの要因です。

あなたの会社の労務管理は大丈夫でしょうか。

 ⇒ 弊事務所のHPはコチラ
posted by カエル at 12:03| 福岡 | Comment(0) | TrackBack(0) | 報道から考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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