2005年09月08日

労働契約法 制定へ

2007年にも法案提出。
バブル崩壊後に終身雇用の慣行が崩れ、中途採用や裁量労働制が拡大、パートや派遣労働者なども増え、働き方が多様化していることに伴い、労働契約の変更や解雇などをめぐる労使紛争が増えているが、労働契約の民事ルールがないため、裁判に解決を委ねているのが実情だ。
このため厚生労働省は、採用から退職まで労働契約のルールを明確にする新法の制定が必要と判断した。

とあります。

厚生労働省のHPで、「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」の議事録がオープンになっていたため興味深くみていましたが、ついに来たかって感じです。

そもそも労働基準法は民法の特別法という位置付けであって、労働基準法に定めのない部分については民法の規程に委ねなければなりませんでした。退職の際には14日前まで・・・、試用期間といえども14日を過ぎたら・・・などの14日は、民法の契約解除規程から引っ張ってきたものです。

といいながらも、この労働契約法も民法の雇用の規程に対する特別法という位置付けになるそうです。労働基準法では刑事罰・労働契約法では民事罰ということになりますかね。

私としては、この“明確に”という部分が引っかかります。

確かに個別労働紛争が増加しており、キチンと整備しなければならないという発想は理解できます。また、トラブルがあって裁判沙汰になったものが裁判例としてしか示せなかった(顧問先に対しては、・・・と思われる、とか、・・・の可能性がある、という表現しか出来なかった)実情もあります。しかし、これで全てが解決するとは思えません。

『解雇の金銭解決』が盛り込まれているようですが、報道にもあるように解雇権乱用の危険性をはらんでいます。
そもそも、解雇で争いが起きると、有効か無効かの判断がなされ、無効となっても結果的に民事的に金銭(いわゆる手切れ金)でその解決を図ってきた実例が一般的。

これを法として認めることになると、有効・無効にかかわらず手切れ金でさようならすることができます。じゃあ今までの人員整理する際の指針とかは何だったんだ、と考えます。

私の勉強不足もあって本当は違った解釈だったかもしれません。気持ちが落ち着いたらまたUPしたいと思います。

それともう一つ「今後の労働時間に関する研究会」があって、これはアメリカのホワイトカラーエグゼンプションを参考にした労働時間規制の適用除外のあり方が審議されています。

これも興味深いですね。いずれにしても、社労士がかかわることが出来るフィールドが増えそうです。ラッキー。
posted by カエル at 09:24| 福岡 ☁| Comment(4) | TrackBack(3) | ちょっと情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ごめんなさい。1200円でした。
Posted by さこん at 2005年09月08日 14:03
話が後先になってしまいました。(投稿ミスです。)
労働調査会から、「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」の中間取りまとめに関する解説書がでてます。1200円と非常に安くて、薄くていい本です。
(カエルさんも知ってる私がよくお世話になっているO弁護士に教えてもらいました。)

これが実施されたら、ベンツ買えるかな(笑)
Posted by さこん at 2005年09月08日 14:07
早速注文入れました。
でもHPの内容とかぶってたらいやだなぁ〜。
何てことは言っちゃいけない!
投資だ投資!!

情報ありがとうございました。
私が今欲しい車は軽自動車です。しかもマニュアル。
売ってないですよね今時(^^)
Posted by カエル at 2005年09月08日 23:15
>そもそも労働基準法は民法の特別法という位置付けであって、労働基準法に定めのない部分については民法の規程に委ねなければなりませんでした。退職の際には14日前まで・・・、試用期間といえども14日を過ぎたら・・・などの14日は、民法の契約解除規程から引っ張ってきたものです。

前にもこの趣旨でレスしましたが、労働者の辞職に関する規定が民法に委ねているという点で1つ大きな問題があります。民法には任意規定が多く、民法627条の規定も任意規定と解することによって就業規則に「退職の申し出は1ヶ月前までにせよ」という規定があった場合は1ヶ月後にしか退職できないことになります。しかし民法627条は任意規定か強行規定かが条文上不明確であるため1ヶ月等の就業規則の規定の期間と民法の2週間(月給制等除く)との間の期間はグレーゾーンになってしまいます。労働契約法では労働契約のルールを明確にするという目的がある以上、労働者の辞職のルールも明確にすべきだと思います。ちなみに私は労働契約法では民法627条と同じ期間で(片面的強行規定として)辞職できるうにすべきだと思います。現行法の民法に委ねていると、立場の弱い労働者は民法の規定よりも不利な(長い)特約を就業規則によって強いられてしまいます。
Posted by でんでん at 2006年11月19日 20:13
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