2006年07月23日

労働契約法 契約期間途中の退職

福岡の週末はほとんど雨でした。「結構降るなぁ〜」と思っていましたが、もっと凄い地域もあったようで大変です。鹿児島の出水市商店街も何度か行ったことのある土地でしたので、こりゃいかん、という気分です。

さて、久方ぶりの更新です。前回に続いて見て参りましょう。

第12条 第9条第1項の規程により1年を超える期間の定めのある労働契約を締結した労働者は、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、2週間前までに使用者に申し入れることにより、いつにても退職することが出来る。この期間は、当事者間の合意により30日まで延長することが出来る。

11条は『更新か出来る場合の更新拒否』、12条は『契約期間内の契約解除』ということで、趣旨が違いますのでお間違えのないよう。

前にも書きましたが、契約期間内に契約を解除することは原則として×です。
一方的な契約解除は、厳密に言えば労使双方から損害賠償請求ができます。本当にやるかどうかは別として、会社側であれば「働いてもらって得るはずだった収益に対する損害賠償」、労働者側であれば「その間に受けるはずだった賃金に対する損害賠償」を請求できるはずです。

でも、絶対にその期間内を働き通せるという保証はありませんね。例えば、倒産とか死亡とか。極めてイレギュラーですが、まぁ契約も不測の事態に対しては絶対的なものではない、ということがご理解できれば良いです。

12条は、“1年を超える”有期労働契約に限定しています。
労働基準法は、労働契約期間について平成16年1月1日に改正されています。
改正前は、1年を超える有期労働契約は“してはいけない”とされていました。これは、不当な人身拘束から労働者を守るためという理由からです。でも、数年前から続いた不況の影響から、『少しでも長く働けた方が得だろ』ということで改正されたと言われています。

と言いながらも、改正された時に『1年を経過した日以後においては、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することが出来る。』という文言が暫定措置として付け加えられたのです。国としてはやっぱり怖かったんでしょうね。

この暫定措置は『いつでも』がポイント。今辞めます、午後から辞めます、なんて言うことも可能。

その暫定措置に、制限が加えられたのが12条。
『いつでも』が『原則2週間前までに』。そして合意があれば、『30日後でもOK』。

まぁ、一般的に退職する際は、「30日前に言って下さい」、「やんごとなき理由があれば14日前に言って下さい」となっているようです。それがそのまま条文化されたんですね。こう見るとあんまり面白くない条文です。ひねりがありませんから。

書き忘れていましたが、第9条(契約期間の定め)にある3年とか5年とかの期間は、平成16年改正後の期間そのままなんですよ。
posted by カエル at 21:23| 福岡 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 労働契約法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
連合総連の労働契約法試案のようですね。しかし厚生労働省は退職予告期間を30日とするには難色を示しています。私も退職予告期間を30日に延長可とするのは反対です。
​http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/s0908-5a.html#4​
「3)労働者の退職の予告期間・・・・労働者が労働契約の解約を申し入れた場合には、民法第627条によって2週間の経過により、雇用契約は終了するとされているが、担当業務の引継ぎや後任者の手配などを考えればこれでは、短すぎるため、労働基準法第20条に定める解雇の予告期間と合わせて30日前に予告が、必要とすべきであるとの指摘がある。しかし、労働基準法の予告期間は、労働者にとっては突然解雇されれば賃金を得られず生活ができなくなるという解雇の重大性にかんがみ必要とされているものであり、使用者の経営上の利害と労働者の生活上の重要性を同列に論じるべきではないと考えられる。」

現行法では期間の定めのない雇用契約の退職に関しては労働法には規定がなく、民法627条の規定により2週間が退職予告期間になりますが(1年を超える長期有期契約の解約については労働法にも民法にも規定がないため退職予告期間は就業規則による)民法627条は任意規定と解して就業規則によって延長できるという見解もあり、あいまいです。労働契約法では退職のルールを明確に規定すべきだと思います。なお、2週間では短すぎるという主張に対しては民法627条の2項と3項の規定を労働契約法に盛り込めばいいのではないでしょうか。
2  期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3  六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。

これなら月給制や半年棒制・年棒制の退職予告期間は2週間より長くでき、最大3ヶ月めで延長できます。

なお、現行法で民法が優先するのか就業規則が優先するのかについてはここでも議論されています。
http://okwave.jp/kotaeru.php3?q=2339521
Posted by でんでん at 2006年08月26日 22:41
山下先生こんにちは・・・

通りすがりのものですが

でんでんさんのコメントにちょっと疑問ありです…?

>これなら月給制や半年棒制・年棒制の退職予告期間は2週間より長くでき、最大3ヶ月めで延長できます。


確かに、民法627条3項において年俸制等は3ヶ月前までに解約の申し入れをしなければいけない文言ありますが、労基法24条2項にて賃金の毎月1回以上の支払いを義務づけております。

ということは、特別法である労基法が優先されるため、民法でいうところの年俸制という概念が適用できなくなります。

よって民法627条3項は適用できず3ヶ月まで退職予告期間の延長はできないと思うのですがいかがでしょうか?
Posted by 通りすがり at 2008年10月02日 12:17
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